打ち(鍛造)刃物について

由宗刃物 黒打ち包丁



黒打ち包丁とは



概要

印面の小さな埃をブラシで掃除し、歴史的に、数百年にわたって、世界の包丁スタンダードは単一の鋼材で作られたブレードを持つもので、それらが需要の大半を占めていました。一方、日本は日本刀鍛冶由来の刃物技術から、独特の3層(両刃)あるいは2層構造(片刃)のブレードを持つ包丁の鍛造技術が確立しました。表層が柔らかく、心材が硬いことにより、砥石で研ぎやすく、鋭い切れ味が長期間持続し、折れにくい丈夫な刃を生み出したのです。和包丁の産地は、大阪府堺市、福井県越前市、新潟県三条市、兵庫県三木市、高知県香美市・土佐山田町・南国市などがあります。

土佐打ち刃物

検品で問題がない商品を次は袋に詰めます。

この時、中でも、現在でも鍛冶職人・工房が最も多く存在し、両刃、片刃に対応可能で、伝統的鍛造技術を継承しているのは、「土佐鍛冶」と言われています。その証拠に、例えば堺と土佐は歴史的に深い協業関係にあり、例えば堺包丁(片刃)の70~80%は高知土佐の鍛造刃(ブレード)が使われています。また土佐打ち刃物の特徴は、鍛造から刃付け、仕上げまでを職人が一貫して行うため、自由度が高く「自由鍛造」とも呼ばれています。そのため、分業制で刃と柄づくり、磨き工程が別々に行われる刃物に比べ、低コストで高品質な刃物が供給できるのです。

黒打ち

「黒打ち」とは、焼入れにより酸化し黒くなった地金の表面を残し、刃の部分だけを研いだ包丁です。ハンマーで叩き上げた槌目の跡が見て取れ、その手造り感と無骨さ、そして磨き仕上げに比べて錆に強いという特徴があります。代表的な土佐包丁が黒打ち包丁で、両刃の伝統的な本割込み(3層)構造が特徴です。心材(鋼部分)を軟鉄でサンドイッチした構造で、熟練した鍛冶職人の技術が必要です。一丁一丁丹念に鍛え上げた日本の名品ともいえる黒打ち包丁の心材は、同じく鍛え上げられた安来青鋼、職人の技と温もりが感じられる本格和包丁です。



製造工程

完成

出所:刃物あれこれ~金属学からみた切れ味の秘密~ アグネ技術センター



注意事項とメンテナンス

✔︎包丁は、使った後は必ず洗剤等でよく洗ってから、水分をよく拭き取っておいてください(特に刃の部分)。特に、包丁の刃と柄の接続部分はよく水分を取ってください。

✔︎可能であれば、最後に熱湯を掛けることで、目に見えない細かな刃の傷に入り込んだ水分が蒸発し錆防止になるほか、殺菌効果にもなります。

✔︎まな板はできるだけ木製の使用をお勧めします。プラスチック製は刃に目に見えない細かな欠けやキズが付きやすく、切れ味が落ちる原因になります。

✔︎水分乾燥機の使用は避けて下さい。柄の部分の痩せや割れの原因になる事があります。